現状認識その1
建設業を取り巻く環境・状況が大変厳しいのはいうまでもないが、これもバブルが崩壊した自然の流れと考えてはならない。巨大な力が日本国政府の意向・日本国の経済に大きな影響を及ぼしていることに強い認識を持たなければならない。共産主義の崩壊による資本主義陣営の一人勝ちが時代を奥底から動かしているのであり、西欧の白人経済パワーの凄みが日本の自主性を奪っているのは現実である。アングロサクソンキャピタリズムとも形容される莫大な資本力と強大な政治力を生かし、世界中を市場経済化している中での一現象に過ぎないのである。「日本は米国の領土ではない」、との主張も虚しく、日本の古き良き秩序は徹底的に叩き潰されようとしている。
最近の規制緩和策はまさに米国の要求である。「前代未聞の大不況からの脱出には徹底した規制緩和策が必要」と、内政を干渉させてもその声に追随するしか方策はないのでる。日本国内の各種規制は米国が日本の産業界に進出する上で大きな支障となるものであり、よって日本を不況から脱出させるための有効な手段という大義名分のもとに米国は規制緩和策の要求を日本に強く迫るのである。実際に規制緩和の恩恵を被ったのは業者の参入で通話料が下がった携帯電話くらいのものである。特石法の廃止によって若干ガソリンの値は下がったものの、サービスは極端に落ち、また、GS従事者の半数以上が職を失い、また、大店舗法の施行は町並みから魚屋、八百屋等の個人商店を駆逐し、マニュアル化したレジをくぐることを余技なくさせられた。
米国の秘本市場支配は極めて戦闘的であり露骨である。農業(牛肉・オレンジ・米)の自由化の背景にはK社、建設業界への独占禁止法徹底適用の背景にはB社があったと言われている。山一証券とメリルリンチのどちらが先なのでしょうか。日本リースとGEキャピタルも然り。血税が投入された長銀を米国金融機関にもっていかれることを批判した「週間文春」は米国人権団体の代表に謝罪せざるを得ないほど彼等は強大なのである。ハワイからカメハメハを追い出し、ルーズベルトは真珠湾を攻撃させ、ついには日本を屈服させた。ついには中国という最後の大市場を席捲するためWTO加入はあまりにも大きな進展である。米国の20世紀最後の目標(太平洋を越えて中国まで・・・)が達成されようとしている。
日本国の政治家、官僚そして経済界にほ彼等と同様の思考経路を有し、共通の目標に思いを収斂させているパワーエリートたちが相当数いることを認識しなくてはならない。そして、かれらの思惑が各種法律の施行・改正、または各審議会等のメンバー選択にも影響を及ぼしていることは否定のしようがない。
あまりにも巨大で大きな潮流を我々の手で変えることは不可能であり、農耕民族が作り上げた共存共栄するための古き良き秩序を懐かしがっていては熾烈な大競争時代に生き残れない。当然、建設省の意向・思惑の背景にも巨大な力が存在しており、当局としも、国内の建設産業のみを守るという枠の中だけでは対応できないのが現状である。ややもすると木だけ見てしまう程の厳しい目先の現状があるが、後ろに広がる広大な森を見なくてはならない。生き残る為には冷静にもこ厳しい現実を直面する必要があるのである。
以上、「建設大戦略」小出著からの抜粋
現状認識その2は、「建設大戦略」をお読みください。
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