建設業許可、経営事項審査、神奈川横浜実績No1の行政書士小出事務所

経営状況評点（Ｙ）

経営状況評点(Ｙ)は、経審(経営事項審査)のうち経営状況を審査する評点です。
「負債抵抗力」「収益性・効率性」「財務健全性」「絶対的力量」の4つについて、それぞれ2指標ずつ合計8指標から成り立っています。

まず、Y1からY8まで算出します。

※なお、小数点第4位を四捨五入

下記の式からＡを算出します。

※なお、小数点以下第3位を四捨五入

次に、Ｙを算出します。


※なお、小数点以下第1位を四捨五入

【備考：Y7の営業キャッシュフロー計算方法について】

　営業キャッシュフロー ＝ 経常利益 ＋ 減価償却実施額 ± 引当金増減額
− 法人税住民税及び事業税 ± 売掛債権増減額
± 仕入債務増減額 ± 棚卸資産増減額 ± 受入金増減額

ア、各増減額(当期−前期)の計算の仕方
　・引当金増減額、仕入債務増減額、受入金増減額はそのままの符号で
　　(プラスの場合にはプラス、マイナスの場合にはマイナスして)
　　営業キャッシュフローを計算します。
　・売掛債権増減額、棚卸資産増減額は符号を反転
　　(プラスの場合にはマイナス、マイナスの場合にはプラス)して
　　営業キャッシュフローを算出します。

イ、細部の定義は下記の通りです。
　　引当金＝貸倒引当金(財務諸表上の符号は無視して計算)
　　売掛債権＝受取手形＋完成工事未収入金
　　仕入債務＝支払手形＋工事未払金
　　棚卸資産＝未成工事支出金＋材料貯蔵品
　　受入金＝未成工事受入金

技術力評点（Ｚ）

技術力評点(Ｚ)は、技術力を審査する評点です。技術職員数評点(Ｚ1)と元請完工高評点(Ｚ2)から構成されます。 技術職員数評点(Ｚ1)と元請完成工事高評点(Ｚ2)は、それぞれ評点算出テーブルに当てはめて算出しますが、先ず、技術者数値を求めなくてはなりません。

技術職員数評点(Ｚ1)は、資格区分に基づいて技術職員数値を算出してから、その数値を技術職員数評点算出テーブルに当てはめて算出します。

平成20年4月改正以降、一人の職員について技術職員として申請できる建設業種類は二つまでとなっていますので、ご注意下さい。

元請完成工事高評点(Ｚ2)は、平均年数は2年または3年のどちらかになりますが、完成工事高評点(Ｘ1)算出時に選択した平均年数と同じ年数になります。
技術職員数評点(Ｚ1)と元請完工高評点(Ｚ2)の算出テーブルはこちら


※なお、小数点以下は切り捨て

社会性等評点（Ｗ）

社会性等評点(Ｗ)は、その他の審査項目とも呼ばれ、経審(経営事項審査)のうち、社会的貢献度など、上記の評点以外の審査項目です。

【令和5年1月1日改正】

《社会性等評点(Ｗ)の具体的算出方法》

まず、下記から、労働福祉点数、営業継続点数、防災協定点数、法令遵守点数、建設業経理点数、研究開発点数、建設機械保有点数、国際標準化機構登録点数 、若年の技術者及び技術労働者の育成及び確保状況点数、知識及び技術又は技能の向上に関する取組状況点数をそれぞれ算出します。
次にそれらを合計し、×10×190/200を乗じて評点Wを算出します。

○労働福祉点数(Ｗ1)

以下の点数を加算したものです(平成24年7月施行反映、最新)

○若年の技術者及び技能労働者の育成及び確保状況点数

若年の技術者及び技能労働者の育成及び確保状況点数は、職員名簿に記載された35歳未満の技術職員数が技術職員名簿人数の15％以上で1点、前回審査時の技術職員名簿人数から増加した若年技術者の人数が技術職員名簿人数の1％以上で1点、それぞれ加算されます。
※若年技術者：審査基準日時点での満年齢が35歳未満の技術者

○知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況点数

改正建設業法(令和2年10月1日施行)において、建設工事を適正に実施するために必要な 知識・技術・技能の向上に努めなければならないこととされました。これにより、技術者・技能者の 継続的な教育意欲を促進する観点から、新設されました。

知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況点数(Ｗ1-08)は、技術者に関する評点と技能者に関する評点を合計し、知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況点数算出テーブルに当てはめて算出します。

(１)Ｂの点数の求め方

(２)Ｃの点数の求め方

(３)Ｗ1-08の点数

上記計算結果を下表（知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況点数算出テーブル）に当てはめて算出します。

○営業継続点数(Ｗ2)

営業継続点数は、営業年数点数と民事再生法・会社更生法の適用有無点数を加算したものです。
建設業の営業年数は、建設業の許可又は登録を受けた時より起算します。
民事再生法・会社更生法の適用を過去に受けた場合には、再生手続終結の決定又は更正手続終結の決定を受けた時から起算します。
民事再生法・会社更生法の適用有無点数は、適用有りの場合は-60点になります。

営業年数点数　算出テーブル

営業年数が6年以上35年までは、営業年数が1年増える毎に点数が2点アップします。

○防災協定点数(Ｗ3)

防災協定点数は、防災協定を締結している場合に15点が加算されます。
締結していない場合は0点です。
　

○法令遵守状況点数(Ｗ4)

法令遵守状況点数は、営業停止処分を受けた場合は-30点、指示処分を受けた場合は-15点です。
処分を受けていない場合は0点です。
　

○建設業経理の状況点数(Ｗ5)

建設業経理の状況点数は、監査の受審状況点数(Ｗ51)＋公認会計士等数点数(Ｗ52)。

監査の受審状況点数(Ｗ51)は次の通りです。

※経理処理の適正を確認出来る者の要件について
　下記の表(Ｗ52評価対象者)のイに該当する者となります。

・公認会計士等点数(W52)は、
　(公認会計士、会計士補、税理士、1級登録経理士の数)×1 ＋ (2級登録経理士の数)×0.4
　で算出された数字を下記算出テーブルに当てはめて算出します。

Ｗ52の評価対象者（令和３年４月改正）

※平成28年度以前に１級又は２級の登録経理試験に合格した者あっても、令和5年3月末までの間は、
　引き続き経審上評価対象となります。

公認会計士等点数算出テーブル

○研究開発の状況点数(Ｗ6)

研究開発の状況点数は、会計監査人設置会社に限定して、公認会計士協会の指針等で定義された研究開発費の金額を評価します。常に2期平均値で評価します。

研究開発費評点算出テーブル

○建設機械の保有状況点数(Ｗ7)

建設機械の保有状況点数は、建設機械1台保有で5点加算され、以降8台までは１台につき１点ずつ、8台からは2台追加ごとに1点ずつ加算されます。最高点は15点です。
評価対象の建設機械は、いずれも所定の定期検査を受けている機械で下記の要件を満たすものです。
　１)ショベル系掘削機、ブルドーザー、トラクターショベル、モーターグレーダー、
　　締固め用機械、解体用機械、高所作業者（作業床の高さ2m以上）
　２)大型ダンプ車
　　　　 ※土砂等を運搬する大型自動車のうち、下記を満たすものです。
　　　　・車両総重量8トン以上又は最大積載重量5トン以上であること
　　　　・経営する事業の種類として建設業を届け出ていること。
　　　　・表示番号の指定を受けていること。
　３)つり上げ荷重3トン以上の移動式クレーン
保有状況は、建設機械を自ら所有している場合又は審査基準日から1年7ヶ月以上の使用期間が定められているリース契約を締結している場合のことをいいます。

○国際標準化機構の登録状況点数(Ｗ8)

国際標準化機構の登録状況点数は、ISO9001,ISO14001に登録している場合に各5点加算されます。
また、エコアクション21に登録している場合も3点カ点されます(ただし最高10点)。
但し、認証範囲に建設業が含まれていない場合及び認証範囲が一部の支店等に限られている場合には、加算されません。

参考資料：各種算出テーブル

○工事種類別年間平均完成工事高評点(Ｘ1)

※年間平均完成工事高(小数点第1位を四捨五入)
※評点に小数点以下の端数がある場合は、これを切り捨てる。

○自己資本額点数(Ｘ21)

※評点に小数点以下の端数がある場合は、これを切り捨てる。

○平均利益額点数(Ｘ22)

※評点に小数点以下の端数がある場合は、これを切り捨てる。

○技術職員数値評点(Ｚ1)

※評点に小数点以下の端数がある場合は、これを切り捨てる。
※審査基準日の６ヶ月以上前より、雇用期間を特に限定することなく常時雇用されている技術職員が評価対象となります。
※「高齢者等の雇用の安定等に関する法律」に規定される継続雇用制度により再雇用された技術職員は、雇用期間が限定される場合も評価対象になります。

○工事種類別年間平均完成工事高評点(Ｚ2)

※評点に小数点以下の端数がある場合は、これを切り捨てる。